先を歩く人に会いにいった日

給与計算の数字が落ち着かず、
夜に簿記のテキストを開いただけで胸が締めつけられたあの頃。

私は、二人の先輩に会いに行きました。

一人は、税理士事務所でパートとして働いている女性。
もう一人は、会社経理や税理士事務所勤務を経て、
今は経理代行として独立している女性。

実は私は、
いずれ在宅で経理代行ができたら、
とぼんやり考えていました。

だから純粋に、
仕事の様子を聞いてみたかったのです。

どんな働き方をしているのか。
どんな力が必要なのか。

そしてついでに、
今の自分の状況も、そっと話してみました。


まず返ってきたのは、

「1年やらないと、流れは掴めないよ」

という言葉でした。

1年。

その数字を聞いたとき、
少しだけ気が遠くなりました。

私はまだ数ヶ月。

分からないのは当然、と言われればその通りです。

でも、あと何ヶ月この不安を抱えるのだろう、
とも思いました。


もう一人の先輩は、もっと具体的でした。

「とりあえず銀行口座から入力するのが基本だよ」

売上からではなく、
まずお金の動きを押さえる。

通帳の流れを追えば、
全体像が見えてくる。

「全部を理解しようとしなくていい。
流れをつかむことが先」

その言葉は、とても現実的でした。

私はいつも、
会計ソフトの画面を前にして
一つひとつの仕訳を“正しく理解しよう”として、
固まっていたのかもしれません。


話を聞きながら、

ああ、ちゃんと“やり方”があるんだ。

と思いました。

闇雲に不安になるのではなく、
積み上げ方がある。

それを知っている人は、
やはり強い。

一方で、

私はいま、
その入口で立ち尽くしている。

そんな感覚も、正直ありました。


在宅で経理代行。

口にすると、少しだけ未来が明るく見えます。

でも現実の私は、

会計ソフトのボタンに迷い、
給与計算の数字に怯え、
簿記のテキストで動悸がする。

「1年やれば流れは掴める」

その1年を、私は越えられるのだろうか。

それとも、
この違和感は“慣れ”で消えるものではないのだろうか。


帰り道、少しだけ安心して、
少しだけ不安になりました。

やり方はある。
道もある。

でも今の私は、
その道の上にちゃんと立てているのか分からない。

それでも、とりあえず。

明日は銀行口座から入力してみようと思います。

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